ホームへ戻る
メールはこちら

 
 

 

●新しい株式会社の提案

2002.06.22/中沢康治

 

 
 
 

 

企業は「企て考え」「やる者」「お金」の三つが要ります。「企て、考え、やった」事が人に受ければ存続するし、成長もするが、神様ではないので人に受けない危険性は必ずあります。お金を出す方はそれを意識し、出したお金を駄目にする覚悟のかわりに、旨くいったときのハイリターンを期待します。やって見ないと本当に成功するかどうかはわからない一種のギャンブル性が伴います。ところが日本では秀吉の刀狩以来、江戸時代を通し、継続性、安定性が理想とされ、「危険のある企て」は嫌われ、絶対に安全なものにしか手を出したがらない国民性となりました。また「危険なもの」は「皆でやれば怖くない」という集団心理で、景気の良いとき一斉に同じ様なことをやります。そして銀行は皆が絶対安心だと思うような担保(例、バブルの時の土地)にとって、プランの内容よりも担保でお金を借しました。

日本は雨に恵まれ、農耕に適しています。農作物は天候に左右されますので自然に適応する民族性となり、祖先や先輩の体験が尊重され、その範囲内で真面目に努力すれば報われますが、個性の強いものや変わり者は弾かれ、他人と同じ様にしていれば無難な社会構造が背景にあるのかもしれません。便利で快適な生活(海外の文化)を欲しなければ自給自足、鎖国で競争がなくそこそこ安定していた江戸時代でした。海外情報が入り「遅れ」を知ると開国派が勝って、先進国を追いかけるという明確な目標に向かって集団で走りました。一部の指導層と黙って従う民衆。早く追いつくためには内容を吟味している暇はありません。丸ごと覚えて真似をするのが一番手っ取り早い。教育も試験も「正確に記憶し、決められた通り正確に実行する能力」「間違いを犯さない注意力」を重視する方向で成功しました。追いついた今、気が付くと集団指導部にはもう見本のサンプルが見当たらず、自分で創りださなくてはならなくなったのです。その為には教育の方向を正確な「記憶」よりも今まで時間が掛かるので軽視した「なぜ」を基に、より本質の流れをつかみ、別の新しい方法で問題を解決できる能力を養わなくてはなりません。また「失敗しない消極性」よりも「失敗してもチャレンジする積極性」を重視する教育に方向変換しなくてはなりません。本来の国民性の上に戦後の永い教育を変換することは大変なことです。一番の問題は「極端な安全志向・怖がり・臆病」なことです。日本人は危険を恐れるあまりお金は貸しても必ず戻って来ることを期待する「預金」に向かい、戻ってこないこともある企業投資はしたがらない傾向にあります。預金を預けられた絶対安全の郵便貯金は財投に向けましたが、今までの様にうまく機能しません。低利の銀行預金残高は増えても銀行には、プランの「良し悪し」を見抜く目がないから、いまや「安全な担保」がなくなって何処へ貸していいか解らなっています。更に悪いことに不良債権を処理した後は貸付先の金利を上げ、高利貸的な存在になるばかりで、新規事業に融資するどころではありません。此の儘では日本の国債が評価を下げるのは当たり前かもしれません。

一般の投資といえば、せいぜい安全といわれる上場会社の株式の取引で一喜一憂するくらいで、いいアイデアとか将来に向かってのベンチャー会社設立には興味がありません。投資には予知できないギャンブル的な要素があるため、ギャンブルは良くないとされる国民性です。決められた通りにやる「生真面目」「継続する努力」が基本の農耕民族には「新規事業に投資するのは馴染まないものかもしれません。しかし今や世界的な競争時代にあって、何時までも怖気づいていては、日本はどんどん遅れをとってしまいます。安全と確認されたものから出ようとしない臆病体質から、危険を冒す勇気、冒険心、チャレンジ精神を振るい起こし、「皆と同じというぬるま湯的安心感」から「皆と違う喜び」を尊重し、「失敗を極度に嫌う国民性から、失敗を許す寛容性のある国民性」にしていかなければなりません。これが本当の資本主義、「株式会社」の精神ではないでしょうか。今や世界中が、他人に役立つための「世界的経済戦争」を行っています。わが国も何時までも精神的に鎖国していないで猿真似ではない本当の文明開化が必要となっているのです。


そこで「企て考え」「やる者」は新しい、今までにないことに果敢に挑戦し、銀行金融をバックにした経営者や働く従業員よりも「お金」を投資する「株主」に感謝すること。また「お金」を持つものは今までにない新しい事業に危険を恐れず投資し、ハイリターンを求めて監視、アドバイスし、失敗には寛容である事が要求されています。

生命体は絶えず生存のために競争しなければなりません。企業も一種の生命体と考えて、株式会社の基本にもどり、お金を出した株主のために「絶えず配当や成長を考えなければならない宿命」があります。しかし、この改革には時間が掛かり、その間に優秀な頭脳を持つ日本民族が、勇気がないばかりに埋れてしまうのは誠に残念です。

ここに、新しいコンセプトを持つ株式会社を提案します。

■特徴
  1. 株主1人の投資額を小さくする。
  2. 株主一人当たりの投資額を平等にする。
  3. 株主数を多くする。
  4. インターネット・ITを駆使し、可能な限り経済的でオープンな制度を構築する。
 
■この株式会社のメリットは
  1. 危険負担が小さくなるので参加して安心である。
  2. 皆で渡れば怖くない感じがあり危険を冒す勇気もそんなに大きくなくて良い。
  3. 株主が多いほど顧客としてマーケテイングの対象になるので、平等投資額主義を採ることで、より多くの株主の意見を聴く事が出来る。
  4. ハイリターンではないが夢と希望がもてる。
  5. インターネットの発達で多数株主の意思が経済的に直ぐ解るようになって来た。

新株式会社向き新産業は解りやすく、関心の高いものでしょう。宇宙産業、宇宙旅行、飛行自転車、台風発電所、大遊覧飛行船、無機食物生産工場、マツタケの養殖、山岳道路の登山電車化、志賀草津山岳ケーブル、山族館、美術館、全IT化リゾートホテル、ETC以上

 

 
 
 
 
●ご議論、ご意見等なんでも掲示板へどうぞ

(c) 2001 Copyright Yasuji-Nakazawa All rights reserved.
Kusatsu city gunma japan

 
 

ホームへ戻る