「次元」ってなんでしょう?
子供の頃に「4次元の世界」という、人間が壁を通りぬけてしまう神秘的な小説が少年倶楽部か何かに載っていて心を躍らせたことを覚えています。その頃から頭を悩ませている疑問、この世の中は何次元でしょうか?
縦、横、高さで三次元の立体と聞けばなんとなく解ります。
しかし、もう一次元は時間軸で壁をすり抜けられるというのが良く解りません。なんとなく「長さ」や「重さ」に関係しそうです。
「長さ」は「線」に関係がありそうで、定規で線を一本引いてみました。
線は一次元で、幅も厚さもなくて真っ直ぐといわれますが、ぴんと来ない。
なぜ曲がっていてはいけないのか?なぜ幅があってはいけないか?なぜ厚さがあってはいけないか?
確かに拡大鏡で見ると鉛筆の線は幾ら細いと言っても幅があるし、厚さもありそうで、線が曲がっていると「計る」ときに狂うのでピンと張った方がよさそうです。
「点」は位置だけでぜろ0次元といい広がりがあってはならないというのはなんとなく解ります。
さて、世の中の物を表現して人に伝える為には皆の知っている何かと比較して、大きいとか、小さいとか言えば伝わります。
人に共通した「はかり」を「幾つも」造って皆で覚え、それと比較した結果を伝えれば、なお良く伝わります。
この「はかり」の数を「次元」と考えればよさそうです。
例えば、展示用の自動車は動かないので、縦、横、高さをメートルで表現すると、ほぼ大きさが解り、人に伝えられます。
縦とは横とは高さとは何でしょう?
三つとも相互に関係のない、独立した「はかり」(系)と考えれば立体の場合は長さで三つとも計れるのでどうしても関係があるような気がします。
この関係は「一方がなければ他方がない」という関係(交点)と考えたらどうでしょう。
そして各々、縦・横・高さなどの要素に対して関係のない方向(直角)は、変化しても元の方向にとって関係がなさそうなので、相互に元は繋がっているが関係のない関係を「直交する系」とします。
これは無数に考えられます。
立体は、直角に交差する三つの次元で表わしたものと考えられます。
では時間軸とはなんでしょう。
動く自動車を表現するには大きさの他に「動き」があります。
早く動くか遅いかなどです。
ここで、動きの基準に時計を使います。
針の動きは、一定のリズムの間にどのくらい長く移動したかで表わせます。
一定のリズムの基準が「時間」です。
これで時間軸が出来、この世は四次元になりました。
しかし「重さ」に関しての何かがありそうです。
そこで、この車をスパッと切ると中身はスッカスカなど一様な表現でしかありません。
ここで「密度」という次元を提案します。
今までは、空間の特定な位置には1点しか入らないのを、何点でも詰められる軸で、水の密度が基準の「密度軸」です。
これで世界は「5次元」になりました。超高密度の地球の内部から超低密度の幽霊の世界まで表現できます。
<人が壁を通り抜けた>のは時間軸ではなくて超低密度の幽霊ではなかったでしょうか。
直交軸はまだまだ無限に考えられます。
温度、色、匂い、味、経済力、美しさ、能力、等々にきちんとした基準を創れば、より高次元で精度の高い表現ができます。
結論、この世は、多次元でした。