羊歯植物(シダ)の根や葉や胞子葉は複合体といって構成している細胞は全部「ペアー」で出来ています。そして自分の子供として、葉の裏や胞子葉で出来た胞子を地上にばら撒きます。「複相」の胞子は水があると5_ほどの「ハート型の前葉体」を作ります。
なぜ複相で出来ているのでしょう?どうやらペアーの方が安定なのです。「単相」は不安定で「複相になろう、複相になろう」とします。では何故安定したままで満足しないのでしょう。これは、環境がどんどん変化するため、現在安定していても次の環境に必ずしも適応しないので、変身しようとするための子孫造りです。
母体葉の遺伝子は、胞子を作ります。胞子自体は乾燥していると安定していますが落ちたところに水分などがあるとそれを吸収して肥大化し、単層の2極に分離します。ハートの凹んでいるところに造卵器が出来て単相の卵を作り、尖ったほうに造精器ができて単相の精子をつくり根のような仮根がハートの先端に出ます。
「不安定な単相の精子は、安定な複相を目指して」ハートの先端から泳ぎだし、同じく単相の卵子を目指しますが、仮根があるのと自分の母体にハート型構造上、回り込みにくい為、母体から離れ、他のハート形前葉体の凹んだ部分にある単相の卵子を目指すことになります。自分同士で複合化したとき遺伝子が同じなので又同じものが出来てしまい、意味がありません。自分と少しでも違う他と複合化できれば少しでも違う複合体が出来て次の環境に適応できるかもしれません。
男女が求め合う原動力はここにあると思います。男性の精子を生み出す機構の単相系はその固体の脳細胞に他の単相を求める情報を送り、同じく女性の卵子を生み出す単相系はその固体の脳細胞に他の単相系を求める情報を送ります。かくして男女が求め合うのでしょう。前葉体がハート型というのは偶然でしょうが面白い形です。
人が寂しさを感じるのはこのように根源的な欲求に根ざすもので、どんな時代でもどんな人種でも物語になるのはこのためでしょう。
このように細胞レベルから心理を考える学問はあまり聞きませんが、分子細胞心理学とでも名づけたら如何でしょう。
他の例では「自分の細胞は移植できても他人の細胞では拒絶反応を起こし、細胞レベルで自分と他人とを厳密に区別していることが元になって、自分の食べ残しは再び食べられるのに、他人の残したカレーライスなどは飢餓状態でもなければ、とても食べられないこと。また、洗ってない他人の寝巻きは抵抗があって着られないこと。旅館やホテルで他人の髪の毛が落ちていて不愉快に思うことなどが上げられます。縄張りを主張したり、民族間の争いもここから来ているのでしょう。嫉妬心などもあるいはそうかもしれません。