木々は最近すっかり葉が落ちて幹や「枝」がよく目立つようになりました。幹の色は白樺の白や赤松の赤、黒っぽいもの等、様々です。幹の肌も縦縞も有れば横縞も、ツルツルのもあれば迷彩服模様も有る。これにも何か深い理由があるはずです。
何年も前から不思議でならないのは木の枝です。一本の木で垂直に立っている幹に一体、枝は何本あるのだろう。枝から枝の間が一年と言う説があり、冬で成長が遅くなるから高さの違う枝を数えれば何年経ったかわかるはず。同じ高さで輪上に枝が出ている場合はその年に同時に出たと考える。上の方に行くに従って間隔が狭くなっているのは何故か。竹の子は出て来たときは全部の節は出揃っていて一番下の節間隔が伸びきってから次の間隔が伸びを繰り返すのだろうか。また最上部が年毎に一定の数センチ延びて行くとすれば去年の幹は上よりも少し延びているはず。でないと同じ間隔になる。
幹の最先端が毎春二つに分かれ、1本は横方向に葉をつけながら伸びて光合成を行い、もう一本も葉をつけながら最上部を目指して垂直に一年分だけ伸ばして毎秋に落ちるとしよう。葉一枚が1区間だけ伸ばす他に余分に糖分が生産されれば年毎に余分の糖分が降りて幹は太ったり伸びたりする。横方向に出た枝も二つに分かれ、次年度の一本は初めに出た方向、もう一本は垂平方向に出れば、その枝の先端にもう一枚葉っぱを考えると二本の枝はそれぞれ伸び余裕は倍になるので下の幹はもっと太って長くなる。かくして木の幹は下の方が太くなるのかもしれない。では「根っ子」はどうだろう。
その前に人の細胞分裂について考えてみた。1つの受精卵が2つになり2つが四つになり、8,16,24,48,96・・・と続く。2のn乗で表わされる。46乗では70兆にもなる。45乗だと35兆、47乗は140兆だから人間の細胞数は60兆と言われるのは46回分裂して10兆ほどアポトーシスしたのだろうか。ここで植物の1つの種子タマゴを考えよう。まず2つに分岐する。これを地上方向と地下方向とに考え、次の分岐では地上方向は双子葉となり、地下方向は双子根になる。その後、分枝、分根を繰り返しながら成長するとすると地上と地下の分岐数は同じではないかという仮説が成り立つ。大木は大根になる。
地上の大木の先端から考えてみよう。光合成を行なう葉は水と炭酸ガスを元にブドウ糖を作る。造った糖分は篩管を通って枝を通り、幹を通って根に降りてくる。分枝の最先端から集まるので恰も川の流れのように二本ずつ支流が合流して行き本流が大河となって糖分は根基に集中し、集まった糖分は、今度は次々分岐しながら最先端の毛根まで行き渡り徐々に染み出して菌類が分解する。最先端の篩管は円錐形となる。毛根付近の水は、よくブドウ糖に溶けるので浸透して中心部の導管に集まり小さな細かい水流となる。最初はわずかな導管の流れも合流、合流を繰り返して根元に集まって本流となり、大きな水圧で幹を遡る。100Mも水が昇るのは僅かな浸透圧の集積による根圧と葉の蒸散作用による吸出しちからによるもので昇った水は導管が枝から葉柄、葉脈を通って行き渡り光合成に使われたり蒸散したりする。細かく分岐した毛根から浸透した水を地上の多くの葉で蒸散するので膨大な水の気化熱で地表を冷やす。また根の分岐構造は脳に似ているので後記する。 以上