初めて議員になってから4年間、必ず一般質問をさせて頂きました。議員としての最低限をまっとう出来たのは、私事ですが兄の中沢秀雄氏からの忠告で、感謝しております。今日は9人の一般質問だそうですが今度は14人になりますように希望します。
さて最後に草津のもう1つのタブーに挑んで見ました。それは万代源泉についてです。昭和39年(1964)、万座硫黄鉱山がボーリングして新硫黄鉱床を発見、「万代鉱」と名付けて掘削中、400M地点で熱泉が噴出、採掘不可能になり草津町が源泉を取得し昭和51年(1976)より本格的に給湯を始めた約毎分7,000gはあろうかという草津最大の源泉です。
本来は地底深く流れて西の河原や湯畑に噴出すべき温泉が途中で地上に現れてしまったものと思われます。高温を活用して温水や高原地帯への温泉給湯を行い、草津温泉の発展に多大な貢献をした先人の努力には敬服いたしますが、その「泉質」に関しては「湯畑源泉」に比べて今ひとつ評価が得られていません。成分表では湯畑源泉、万代源泉ともにあまり変わりませんが、両者の酸性度を示すpHでは2.08と1.7で、酸性度は強く、この違いかと思いましたが、昨秋の玉川温泉視察でpH1.2に喜んで入っているお客様を見て、酸性度ばかりではないかもしれないと思い始めました。
今世の中は本物ブームで我が日本一の草津温泉も「泉質主義」と称してPRをしていますが、歴史的に評価の高い源泉と若くて個性の強い源泉とを分けて各々の特徴を出し、お客様により良い入浴案内をする義務があると思います。
例えばアトピーについては、久保田一雄元群大分院長のお話で湯畑源泉では70%は快方に向かうのに、この源泉ではあまり良くないようです。テルメテルメ(1991)ではこの源泉を使っておりますが、「上がる時は拭く程度で温泉を洗い流さない方がいい」と先代からの言い伝えを、以前には張り紙にしましたが、今では約10l程度の人々に「肌に合わない」「肌がひりひりする」「湿疹が出来た」と言われ「上がる時に温水で洗い流すか、時間湯(湯畑系綿の湯)を上がり湯にお使いください」に切り替え中です。
万代源泉を使用始めてから27年経った現在、是非とも、まず住民からのヒアリング、そして布施先生や久保田先生等の専門家による調査を行って頂きたい。「泉質主義」が正反対の「PL法」にならないように、少なくとも万代源泉の禁忌症にアトピーを入れる必要があるかもしれません。入浴方法は民間で指導するにしてもご自分で売っている温泉と言う商品に対して社会的責任があると思いますが如何でしょうか?現在、約一割のお客様が合わないとご入浴されないなら、他の源泉に比べて一割の温泉使用料の減額が必要になりますがどう思いますか?
草津温泉は昔から殺菌力で病気を治して有名でした。戦後抗生物質が出来て人類は細菌類に勝ったと言われ一時は「休養」だけになりましたが、またレジオネラ菌、O157大腸菌、その他耐性の出来た菌類の出現により再び「湯治」で脚光を浴び始めています。
しかし殺菌力があることは同じDNAを持つ生物の我々にとって両刃の刃で、殺菌と同時に我々の皮膚も傷めます。殺菌してなお我々の皮膚を保護できるのが理想の温泉で、それには昔から言われた還元系の沢渡温泉のような「上がり湯」が必要なのでしょう。
これは私見になりますが、湯畑系の温泉には還元系の硫化水素が含まれていて、この硫化水素による「活性水素」が理想の「上がり湯」となっているような気がします。
先日1/20に来草された東北大学の田路和幸教授によれば硫化水素は酸性水よりもアルカリ水によく解けて無害化すると仰っていました。万代源泉はpH1.7と強酸性のために硫化水素が溶け難くかったのかも知れません。そこで殺生の硫化水素を、アルカリ水に溶かして混入するか、駿河屋さんの「草津温泉ハップ」を入れたらどうでしようか?これは強いアルカリ性で、投入と同時に酸性泉に溶けにくい硫化水素が出ますので、これに注意さえすればコロイド硫黄や炭酸カルシュウムで白濁して温泉らしい色になり、殺菌力も高まり(久保田理論による、Mn1. 4ppm/kg、I0.3ppm/、pH3)、さらに肌に優しくなれば理想の温泉に変身しそうです。もし「駿河屋さん」で行けるとなれば万代源泉を一割値下げしなくても、温泉ハップを割引で購入できるように配慮され、または補助金等をつけていただきたい。
これは万代源泉の「ベルツ温泉センター」の活性化にもつながり、禍転じて福となします。「還元の水の調査・研究・応用」を是非とも緊急にお願いしたい。
これが実現すれば名実ともに草津温泉は天下一になると思いますが如何でしょうか?
短い4年間でしたが、私を支持してくださいました町民の皆様、議員や職員の皆様、本当に有難う御座いました。これからは自分の商売に専念します。また合併後の4年後、満72歳になりますが、お世話になることがあるかもしれません。その時はまたよろしくお願い申し上げます。
以上