■良くある質問と答え集

(12)登記をするのに必要な書類は?その1【所有権に関する登記】
注:不動産登記法の改正(平成17年3月7日施行)により、全面的見直しが必要なため、現在準備中です。しかし、現実的には、あまり変わりありませんので、参考程度にご覧下さい。

Q:登記をするのに必要な書類について教えてください。
A:登記をするためには、登記申請書と、その申請に誤りのないことを担保するため、各種の書類を添付して、登記所に提出することになっており、登記の種類(目的)や内容により添付書類が決められています。
(不動産登記法第35条他)
登記の種類ごとに4種類に分類した「添付書類一覧表」を作成してみました。

□添付書類一覧表

その1【所有権に関する登記
その2【所有権以外の権利に関する登記
その3【土地の表示に関する登記
その4【建物の表示に関する登記
《添付書類の要件》
添付書類は、単に添付されていればよい訳ではなく、形式的な要件と実質的な要件の両方が整っていることが必要です。
形式的要件とは、登記申請内容を裏付けるのに必要な事項が記載されていて且つ登記申請書と齟齬(そご)していないことです。
実質的要件とは、その書類が真実と当事者等の確実な意思に基づいて、真正に作成されたものであり且つ正当な方法で交付されたものであることです。
この両要件を欠くものは無効又は取消の原因となり、せっかく登記しても、登記の効力が否定されることがあります。
《添付書類一覧表その1》【所有権に関する登記】
※一般的事例の場合です。他にも添付書類が必要な場合もあります。
  登記の種類(目的) 添付書類 備考
1 所有権保存
(法100条1項1号)
1.申請書副本(法40条)
2.住所証明書(細則41条)
3.固定資産税評価通知書
 ( ※注1)
4.代理権限証書
土地や建物について初めてする権利の登記表題部に記載された所有者から申請
2 所有権保存
(法100条2項)
1.申請書副本(法40条)
2.住所証明証(細則41条)
3.固定資産税評価通知書
 ( ※注1)
4.代理権限証書
5.所有権譲渡証明書(法110条)
6.承諾書(法110条ノ15)
マンション等区分建物の場合に限り、原始取得者からの最初の転得者のみ申請可能
敷地権の移転を伴う
3 所有権移転
(法27条)
相続による場合
1.申請書副本(法40条)
2.相続証明書(法41条)
3.住所証明書(細則41条)
4.固定資産税評価通知書
 ( ※注1)
5.代理権限証書
相続証明書:被相続人の出生から死亡までの戸・除籍謄本、相続人の戸籍抄本・住民票・印鑑証明・遺産分割協議書・放棄受理証明書等
4 所有権移転
(法26条)
* 売買・贈与・交換・真正な登記名義の回復・委任の終了・代物弁済・譲渡担保等による場合
1.原因証書又は申請書副本
2.登記済証(法35条)
3.印鑑証明書(細則41条)
4.住所証明書(細則41条)
5.固定資産税評価通知書
 ( ※注1)
6.代理権限証書
7.農地の場合は許可書
* 申請書副本でも良いが、売渡証書や贈与証書などの原因証書を作成することが望ましい。
5 所有権登記名義人表示変更(法28条)
* 住所移転・氏名変更・住居表示などにより登記簿上の表示に変更があった場合
1.申請書副本
2.変更証明書(法43条1項)
3.代理権限証書
* 変更証明書:変更を証する住民票・戸籍の付票・戸籍謄本・住居表示証明書等
会社等法人の場合は、会社登記簿謄本等
6 所有権移転仮登記
所有権移転請求権の仮登記
条件付所有権移転の仮登記
1.申請書副本
2.印鑑証明書(細則41条)
3.固定資産税評価通知書
( ※注1)
4.代理権限証書
*
7 所有権移転登記抹消
* 錯誤・解除等により元の所有者に戻す場合
1.申請書副本
2.登記済証(法35条)
3.印鑑証明書(細則41条)
4.代理権限証書
* 所有権移転仮登記等の抹消の場合も同じ
凡例 法:不動産登記法 細則:不動産登記法施行細則 準則:不動産登記準則※注1:法定添付書類ではないが、実務上添付している。

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