草津温泉の泉質・・・・・資料提供:草津町温泉資料館
酸性-硫酸塩・塩化物温泉(酸性低張性高温泉)
※湯畑源泉
豆知識
酸性の温泉と言ってもどれほどのものかなかなかピンと来ないでしょうが、草津町の温泉資料館によると、その強さは一般の建築に最も使われるコンクリートは源泉に付けていきなり浸食の状態が始まり3日ほどで肉眼でもその変化がハッキリと認識できるほどです。
また一円硬貨などは約一週間で消滅してしまうと言うほどの強さなのだそうです。
これを酸の単位で表すと PH2.05 と言う値になるそうです。
酸が強いと言うことは殺菌性という点で大変効果がありますが実は困っている人も多いのです。
温泉によって直接的な恩恵を受けているのも宿泊施設ですが、最も困っているのもホテルや旅館等の宿泊施設なのです。
各施設の風呂はこの温泉の「酸」が原因で非常に短期間で浴槽や設備全般が腐食してしまうなどの悪い影響も出ています。
結局、改装工事や補強工事等の設備投資を常に強いられるのです。
しかもその工事から次の工事までの期間は他の温泉地よりも早い周期でと言うことなのですが、これが各施設にとってはかなりの負担になってきます。
この工事は、浴槽だけではなくその基礎に至るまで徹底して行わなければ結局今までよりも短期間で掘り起こさなければいけなくなってしまうと言う話なのです。
これほど強烈な「酸性」の温泉は日本でも類を見ません。
また、殺菌力も当然相当に強力で、とあるホテルではその殺菌力に関して東京大学の教授の研究結果を端的にまとめたものを浴室の入り口に掲示していますので、ご覧になられた方もおられるでしょう。
さらに草津ではあらゆる耐久消費財がこの温泉の影響を受けます。
例えば電気製品ですが冷蔵庫や洗濯機などのいわゆる「白物家電」と言われる製品は生活になくてはならない物です。
これらの「白物家電」に限らず工業製品には溶接や圧着といった技術で接合されている部分がありますが、この部分が最も酸化しやすく温泉の成分によって一般の寿命よりも早く傷むという話があります。
実際に実験を行ったわけではありませんので具体的にどのくらいと言うことではないようですが、地元で生活している人の中にはわざわざ塗料を買って上塗りを行う人もいるようです。
また、自動車などの場合にはメッキを施してある部分などに特に顕著に現れると言います。
そこで草津ではワックスなどをまめに行うと良いとかグリスアップを丁寧に行うと良いという話も聞きます。
最もこの話にはもう一つ「雪国」であるという条件もあることを付け加えておきます。
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